さでぃすてぃっくなヤツめ~っ

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ー陸Sideー 陸「ん? みゆ、手どうしたんだよ?」 美「?」 朝、一緒に登校している時に絆創膏だらけのみゆの手を見て尋ねた。 美「…ああ。 別に。大したことじゃないよ」 陸「まさか、これも2年の奴らにやられたんじゃねーだろうな……」 美「だとしても、リクに何かしてもらう義理は無いね。 本当に嫌悪を感じた時は僕はハッキリそれを口にする事が出来る類(たぐ)いの人間だから、心配する必要は皆無だよ」 全く可愛げのない言葉を吐いて、スタスタと歩調を緩めず歩いていくみゆの後ろ姿に苦笑が漏れる。 言葉でハッキリ言えても、それを真っ直ぐ受け取ってくれるような輩じゃねーと思うんだが……(汗) 学校に着いて、みゆの教室がある階の階段で別れようとすると後ろから誰かが階段を駆け上ってくる音が聞こえた。 そしてその音に振り返ると同時に、その人物はみゆの手を掴んでいた。 美「…!」 琥「…っはぁっ……はっ…追い、ついたっ…!」 息を切らしながら苦しそうに笑う琥珀とその後ろからもう一人、黒髪のヤツが階段を登ってくる。 玲「琥珀っ…いきなり走んなよっ…! はぁっ……。 おいっ、美裕っ!!」 相棒くんがみゆの前に躍り出たと思った刹那、みゆが無表情から打って変わって、笑顔を顔に浮かべた。 美「おはよう。錦城くん。宮西くん」 陸「お、おい……みゆ、やめろってそれ(汗)」 俺が注意しても、表情は変わらない。 その反応に対して、グッと何かを堪えるように俯いたと思ったら相棒くんはそのまま深く頭を下げた。 陸「え"?」 美「…!」 玲「あの日っ、言い過ぎたっ! ごめん! お前とはずっと友達で居たい!酷い事言って、悪かった」 わお……。 真っ直ぐだな……相棒くん。 俺が昔からツルんできた中には誰一人として居なかったタイプだ。 みゆにしろ、颯太にしろ、湊にしろ、全員何かしらひん曲がって、歪んでた。 多分みゆも、勿論俺や颯太や湊も、こういう琥珀や相棒くんの真っ直ぐさに少なからず弱い。 隣で黙ったまま立っているみゆを見やると、グレーの瞳が一瞬揺れた気がした。 けど、やっぱり作った笑顔は崩れない。 美「別に、何も怒っていないし、喧嘩したつもりもないよ? それより、あと少しでホームルーム始まるんじゃないかな? 僕は教室に戻るね。君たちも戻ったほうがいいよ」
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