さでぃすてぃっくなヤツめ~っ

44/60
前へ
/910ページ
次へ
そう言うと琥珀に掴まれていた手をスルリと抜いて、相棒くんの反応も待たずしてスタスタと歩いて行ってしまった。 陸「おい……(汗)」 琥「美裕くん……!」 玲「え……っ。 っ……。 っあ、諦めねーから!お前が折れるまで、謝り続けてやるからな!」 ったく……アイツ…何を意地になってるんだか…。 やめてやれよな(汗) こんなショボくれてる相棒くんと琥珀見るとこっちまで心が痛んでくんだから……。 ーーーーー 颯「な、なぁ……陸。 なんであんな不機嫌なん?湊。 めっちゃ怖いんやけど(涙)」 陸「さ、さぁ……? 朝来た時からずっとあの感じだぜ?(汗) とりあえず俺たちにとばっちりが来ないことだけを切実に祈ろうぜ」 2限目が終わり、俺の席へ駆け寄ってきた颯太の第一声に、俺は苦笑してそう返した。 そして恐る恐るそちらに目をやると、側(はた)から見る限りはいつもと変わらない様子だが、幼馴染みの俺たちだからこそ分かるというか……なんか……超不機嫌オーラ全開だった。 昨日、琥珀が先に帰っちまったからそれが原因か?(汗) でもな……。 そんな事であの湊が琥珀に怒るか? 颯「琥珀ちゃん絡みやろか?」 陸「だろうなー……。 しょうがねえ。 ホラ、行くぞ。颯太」 颯「え"、マジで?わい、ボコられんの勘弁やで」 陸「ずっとアレで居られても困るだろ?」 颯「自分一人で行けや」 陸「おいおい。俺たち、仲間だろ?殴られる時も一緒だぜ?」 颯「アホ抜かせ。 とにかく、一人で頑張りや」 陸「逃がすかこの野郎」 逃亡を図ろうとするそいつの腕を掴んで、俺は有無を言わせず不機嫌MAXの俺たちの総長のところまで引きずって行った。 颯「離さんかい!どアホ!」 陸「あー、ハイハイ。うるさいうるさい。 みーなと。いやに不機嫌じゃん? 怖ぇーからヤメテ(笑)」 冗談交じりにそう言って、湊の席の隣に立つと大儀そうにこちらをチラリと見てくる湊。 でも、その後興味無さげに視線を俺から窓の外へ移動させた。 アレ? なんか、怒ってるっつーより…… 俺が感じた違和感を颯太も感じたようで、今まで嫌がってどこかへ行こうとしていたそいつの身体が自然と湊の席の正面へと移動した。 颯「湊、どうしたん?珍しいやん。 悄気(しょげ)とるなんて」
/910ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2540人が本棚に入れています
本棚に追加