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そう。それだ、それ。
怒ってるっつーより、元気ないって表現した方が合ってる気がする。
湊「あ…?
別になんでもねえよ」
湊は颯太の方を訝しげに見やって、面倒くさそうにそう答えた。
陸「琥珀が昨日湊置いて帰っちまったから?」
俺がそう聞くと間髪置かずに返事が返ってくる。
湊「違えよ。
んな事、いちいち気にするわけねえだろ」
颯「じゃあ、最近琥珀ちゃんがみゆちゃんにベッタリやからか?(笑)
わいも玲ちゃんがうわの空なんや(涙)早う仲直りして貰わんと、ずっとあの調子でおられたらわいらが…「違え」」
今度は颯太の言葉を遮って、眉を顰めた湊。
恐らく、他に何か昨日あったんだろうな……。寮に帰ってから。
俺が一人で勝手にそう推測してると、颯太が立て続けに口を開く。
颯「もぉっ!
じゃあ何なん!?
あっ!
もしかして……ッ!
琥珀ちゃんと夜の過ちを犯してしもうたとか!?(笑)」
あー……馬鹿だコイツ。
殴られるぞー。
そう思って退避の準備をした俺だったけど、何故かいつまで経っても湊の拳や蹴りは颯太に飛んでこない。
……?
不思議に思ってそちらを見ると、数秒硬直した後そっぽを向いてしまうそいつの姿が視界に映った。
陸「……………え"、マジで?(汗)」
颯「嘘やろ……?(汗)」
遂に!?
遂にあの花畑少年の純潔が儚く散らされたか!?
そう思ったが、それより最初に疑問が湧く。
陸「なのに、なんでお前はそんな不機嫌なんだよ?
良くなかったとか?相性最悪だった的な?(笑)」
ガスッ
陸「げほっ!?!
スミマセンスミマセンスミマセンっ!!!(涙)」
今度は殴るのかよ!!
鳩尾に捻じ込まれた拳が離れていくと同時に俺はその部分を押さえて跪く。
いってぇーっ!!!
湊「してねぇよ」
颯「……あー……分かったわ。
琥珀ちゃんが嫌がって途中でやめたんやろ?
淡白そうやしな。あの子」
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