さでぃすてぃっくなヤツめ~っ

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ガチャッ 保健室やら教室やらを見に行ったけどみゆの姿は見当たらず、とりあえず屋上に探しに来た。 …ら、案の定こちらに背を向けたままフェンス際に座り込んでいるみゆが視界に入った。 陸「おっ。いたいた」 うっわ。結構、バッサリやられたな。 歪に切られた後ろ髪を見て苦笑しつつ、俺はその背中に近づく。 美「……リク。 おかしいんだ」 陸「あ?何が? とりあえず、ホラ。俺のパーカー。 フード被っとけ。 ひっでーぞ髪型(笑) ホントはキャップとかあると良いんだけどなー。 ロッカーの中に流石にキャップはねーわ」 まあ、パーカーがあんのもなかなか変だけどな、と笑いながら言ってパーカーを差し出しつつ、みゆの隣に立つ。 すると、そいつの手にフォークが握られていて手元にはケーキが入った箱が開けたまま置いてあったのに気づいた俺。 勿論、中はお決まりのチョコレートケーキとショートケーキ。 陸「げっ! またケーキかよ(汗)いい加減飽きねーの?」 美「このケーキ、砂糖と塩を間違えて入れたみたいなんだ」 俯きながらそう言ったみゆに俺は、は?と聞き返す。 するとショートケーキの苺の上に何かがポタッと落ちた。 陸「ん?なんか落ち…」 美「甘くない。 しょっぱいんだ」 そう言ってこちらを見上げたみゆに俺は驚いて、一瞬声が喉で止まった。 陸「…っ、お、ま……! なんで泣いてんだよ……」 顔はいつもの無表情。 その中で瞳から溢れるものだけが異様な存在感を放っていた。 美「……は?」 またくだらない事を、とでも言わんばかりの呆れを露わにしつつ自分の頬に手をやったみゆ。 美「……! この僕が、泣い……?」 あー…クッソ。 何やってんだ俺は。
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