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美「じゃあずっと前に僕が貰った海老フライを卵でとじたモノを食べたことは?」
質問の意図が分からないのか、訝しげにみゆを見る湊。
憂「みっひー、琥珀くんとも友達なんだー!俺の義弟でもあるんだから、仲良くしてあげてねーん」
美「うるさい、静かにしてて。
それとその馴れ馴れしい呼び方やめて」
ゆーゆーにアタリ強えな(笑)
まあ、見るからに相入れない性格だけど。
湊「それは食ったこと無…」
美「僕は食べた事があるのに?ミナトは食べた事が無いんだ?」
なぜ喧嘩を売る!?
ヒヤヒヤしながら二人を見てたけど、湊は一瞬声を詰まらせてから眉を顰めた。
そして目を逸らしながらボソッと呟く湊。
湊「……あるよ、それぐらい」
何故そこで張り合う!?!
俺は内心激しいツッコミを入れた。
美「そう。
じゃあコレ、味見してみて」
そう言うとそいつは冷蔵庫に向かい、皿を出すとそれをこちらに持ってきた。
美「あれからずっと作ってみているんだけど、残念ながら料理は専門外でね。
レシピも何も無しで、コハクが作ったモノにはどうしてもならないんだ。何が足りないのか教えてくれない?」
!
覗き込んだ皿を見て俺は思わず苦笑する。
湊「……。
なんだこの炭。
味見以前の問題だ。食えるわけねぇだろこんなの」
陸「みゆ…。思わぬ弱点だな。
お前、料理マジ壊滅的じゃん。
足りないとか、そういうレベルじゃねーから」
憂「何々!?コレ!
粘土のイカスミ和え!?」
陸「ゆーゆー、やめてあげて」
とりあえず海老フライなんていう原型してねーし、なんか分かんねーけど真っ黒。
粘土のイカスミ和えは素晴らしい表現だと思う。
陸「第一、なんでんなもん作りてーんだよ?」
そもそもの疑問をそのままぶつけた俺に対し、みゆは皿を見下ろしてポツポツと話す。
美「コハクたちに、今の僕は利益にならないから。
彼らの利になる存在になろうと思ったんだ。
コハクはいつも弁当を自分で作っていて大変そうだし、レイタはいつも購買だから……」
憂「おぉっ!だから琥珀くんたちの弁当を作ってあげようと!?
良い子っ!良い子だねみっひーはっ(涙)
ゆーゆー、涙出てきたっ(涙)」
美「じゃあ味見して」
憂「ガンになりそうだから嫌だっ」
陸「(笑)」
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