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美「早く味見して僕に情報を集めさせてよ。
ソウタ」
颯「えっ!?わい!?!
むっ、無理無理無理っ!(汗)
焦げとんのに、味見も何もないやん!絶対美味しゅうないでコレ!!」
湊「チッ、面倒くせえな。
さっさとしろよてめぇ」
颯「湊!?そっち側なんっ!?!(泣)」
陸「覚悟を決めろ。
お前と過ごした日々は忘れないぜ?」
颯「自分まで裏切るん!?」
玲「もーらい」
しゃがみ込んでいる美裕くんの背後から手を伸ばして、玲太はお弁当箱の中に詰められたものを一つ手に取って、自分の口の中に放り込んだ。
美「……え?」
湊「…!」
陸「あ"!
相棒くんっ!?やめた方が…」
颯「…玲ちゃん!?琥珀ちゃんも…!
い、いつから居ったん!?」
玲太に質問に答える様子はなく、そのまま黙って咀嚼してコクンと飲み込んだ。
玲「……まずい」
美「…!
……だろうね…」
フイッと僕たちから視線を逸らして、そう答える美裕くん。
玲「焦がし過ぎ。炭かよコレ。ガンになる。
それに焦げを差し引いても味付けが不味い。何入れたんだよ。マズ過ぎ。」
陸「ちょ…あ、相棒くん……(汗)
一応、こいつもお前らのために頑張って…」
陸が俯いている美裕くんをチラチラ見ながらそう言った時、玲太はぽんっと美裕くんの頭に手を置いた。
玲「琥珀に教えて貰え。
……次回期待しとく。」
美「……!」
顔を上げて、こっちを見たまま固まる美裕くんに僕も笑って続ける。
琥「卵に入れるのはだし汁と醤油とみりんだよっ!
今日、放課後に僕の部屋おいでよ!
一緒に作ろ?」
その言葉と一緒に手を差し伸べてみると、それを美裕くんは硬直したまま眺めている。
そして、10秒後くらいにようやく震えた唇が薄っすらと開かれた。
美「……う、ん…。
そう…する……。」
そろそろと僕の手の上に自分の手を重ねると、僕の手の存在を確かめるように握り締めてくる美裕くん。
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