Let's 文化祭っ!

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ー黒周Sideー 黒「そういえば、何の用だったの? 昨日」 憂「えー?何がぁ?」 店を閉めて、キッチンで片付けをしている憂に、俺は店の床を掃きながら尋ねる。 黒「陸くん。 呼ばれて寮まで行ったんでしょ?」 憂「あー、それかっ! うん! なんかねー、髪切ってきた!」 黒「はい?」 思わぬ答えに俺は思わず床に集めた埃から、憂へと視線を移す。 黒「髪?」 憂「みっひーの髪をアシメにしたんだぁっ」 黒「憂さん、お願いだから俺にも分かるように説明して」 ちょっと俺には話が飛躍しすぎて何を言っているのかさっぱりです。 憂「うーんとねぇ、陸くんの恋人が髪型めちゃくちゃになっちゃっててー、それで俺が綺麗に切ってあげたの! それがみっひー!」 ……。 うん。もう良いかな。 理解する事を諦めた俺は再び床へと視線を落として掃除を再開する。 黒「まあ、よく分からないけど良かったね。久しぶりにみんなに会えて」 憂「うん! あ!でも、颯太くんと琥珀くんと玲太くんには会えなかったなぁ……。 湊くんは会ったよ!」 黒「そうなんだ。 あ。湊くんで思い出したけど、渡してくれた?梨」 憂「梨?」 何の事か分からない、という様子で皿を洗う手を止めて首を傾げる憂。 黒「常連のお客さんがくれた梨。 二人じゃ食べきれないから、湊くんに持って行ってって頼んだでしょ? 夏休みに持って行ったお菓子はハクと憂でほとんど食べちゃったから」 憂「あ"ッ!? 忘れてた!袋に入れて、車に積んだままだっ」 マズい、と思ったのが行動にも現れてしまったのか、彼が持っていた皿がガチャッと流し台とぶつかって音を立てる。 黒「ちょっと、憂。お皿割れちゃうから気をつけて」 憂「は、はぁい(汗) ごめんねぇ、黒周さーん"…」 珍しくちゃんと反省してるみたいでしょぼんと肩を落とす憂に、掃き掃除を終えた俺はカウンターの中へ回ってゴミを捨てながら答えた。 黒「まあ、忘れちゃったならしょうがないよ。 明日にでも俺が渡しに行くから。 とりあえず今は食器割らない事に全力を注いでください」
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