・ °* イブの夜に *° ・

13/34
前へ
/36ページ
次へ
暫くキスをして、 時刻が切り替わる直前プレゼントを交換した。 イブの日に産まれ落ちた私たち。 歳も一緒。 だから、知り合って直ぐに親近感を持った。 私も彼も すごい勢いで惹かれ合った。 ……彼は私の運命の相手。 乙女みたいなことを言ってるとか、二十代前半で決めるのなんて大げさ、重い、もっと遊んだら?  …なんて周りや友達は色々言うけれど、 私は本気だった。 ………冬夜が、好き。 二重で切れ長の優しい瞳。 柔らかいくるくるのくせ毛。 ゴツゴツした大きな手。 頼りがいがあっていつも私を笑わし楽しませてくれる冬夜。 子供みたいに無邪気で、女心に疎い彼が…好き。 例えチョコや生クリームにまみれようと、彼と過ごす時間は私には…特別だった。 彼以外あり得ない。考えられない。 …彼も、私を選んでくれた。 口約束だけど、将来の話もして、そして… ……それなのに…。 プルルルル… ……電話がまた、鳴った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加