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「え? 虫眼鏡? そんなもので見れるんだ?
へぇぇ! 知らなかった!」
「……一片だと儚いけど集まって形を大きくしていく。なんか、生きてるみたいじゃん。…神秘的だと思うけど?」
「そう…かな?」
「…あんなに綺麗なんだから、儚い一片だけど、なんか、願いを叶える力、持ってるよ。きっと…俺はそう思う。根拠はないけど」
「……へぇ…。 なんか意外。
冬夜が珍しくロマンチックだ…」
私は冬夜の顔を覗き見た。
彼はふぁっと欠伸をして、
「……てか、限界。俺まだ眠い。
もう少し寝よ……」
目をまた閉じた。
「…えー? また寝ちゃうの?」
私の言葉を遮るように冬夜は毛布を深く被る。
すぐに寝息が聞こえてきて私は話の続きを諦めた。
「…あ、そう言えば、
プレゼントの中身まだ確認してない…」
私はベッドから這い出て、テーブルの上に置いたままのプレゼントを取りに行こうとした。
「…見るのは後でいいだろ」
「……起きてるの!? …寝たかと思った」
「……いや、寝る。あともう少しだけ、
このまま一緒に寝よう…」
私の身体に絡み付く冬夜の腕。
「…まだ見たらダメなの?」
その手を優しく払いながら私は冬夜に質問をした。
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