・ °* イブの夜に *° ・

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プレゼント。 昨夜交換した時、まだ見ちゃダメと彼に止められていた。 「…うん。 玉手箱は帰ってから見るものだろ?」 「えー? じゃあ、帰って玉手箱空けたら私、おばぁちゃんになっちゃうの?!」 「あれ? そんな話だったっけ?」 しれっと答える冬夜に呆気なく私はまた捕まって、結局ベッドから這い出ることが出来なかった。 伝わる彼の体温が気持ちよくて… つられるように私も眠くなって 微睡み眠りに落ちる直前、 「……愛しているよ。美雪…」 囁かれた…言葉。 幸せに包まれたまま 私はまた眠りについた。 本当に… 幸せで満たされて… 大げさじゃなく、 このあとの人生どんな苦難なことがあっても乗り越えていける。 この時そう本気で強く思った。 ……私は生涯、 この瞬間を忘れない。 プルルル… ……何度目かの着信音。 私はその音で目が覚めた。
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