・ °* イブの夜に *° ・

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。.*・゜.。.:*・゜☆.。†.:*・゜.゜。 『イブの夜に』 …電話の向こう、彼の声。 『必ず会いに行くから…』 …今でも鮮明に覚えている。 忘れることなんて出来ない。 大切な約束…。 「………」 約束の場所は駅。 時間は夜7時。 色めき立つ街の彩りも消え 真夜中 遠くを見つめひたすら 彼の姿を探した。 彼は来る。きっと… 約束を破るなんてこと 彼はしない。 だけど イブの夜はもう 終わろうとしている。 「寒…」 手袋をしていない手が冷たくて… 両手を合わせて口元に持っていく。 はぁ…と 自分の白い息を吹きかけた。 冷たくなっていく身体。 もう感覚が無くなるぐらい ここに居る。 遠くを、見つめる。 行き交う人の流れは途絶え まるで暗闇が 悲しさと寂しさと不安を連れて 私に迫るようで… 恐怖と孤独から逃げるように 私は現実から目を逸らし 下を向いた。
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