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「…これは…?」
「…冬夜が亡くなる時に持っていたみたいなんだけど、ごめんなさいね。先に中身確認しちゃって…。
でも中は無事で良かったわ…」
そう言って彼女、冬夜にそっくりの彼のお母さんは、小さな箱を私に差し出してきた。
…朝、琴実と再会した時にスマホが鳴った。その相手は冬夜…の母親からだった。
「……ずっとバタバタで今朝それに気が付いて…クリスマスの今日、どうしても渡したかったの。
急に無理言ってここに呼んでごめんなさいね?」
「……いえ…。
ありがとう、ございます…」
透き通った雪のように白い顔色だった。
…まだ、お母さんだって心の整理はついていないと思う。 それなのに……
「……中、確認してあげて?」
冬夜のお母さんは気丈に振る舞い、笑顔を作って私に言った。
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