・ °* イブの夜に *° ・

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昨夜私は冬夜とプレゼント交換をした。 それは…夢じゃなかった。 だって…今、そのプレゼントが… 目の前にある。 「……」 ……冬夜… 私は現実の世界に帰ってきたよ。 だから玉手箱…開けるね…。 私は震える手で静かに箱を持ちあげた。 中身を確認する為に。 ちいさな、ちいさな白い箱。 赤と緑のクリスマスカラーのリボンが巻かれていて、私は確かにこれを彼の手から受け取っている…。 中身は…… 「………綺麗……」 光、輝く、ダイヤの指輪。 まるでひとひらの雪結晶達が集まり、形を成しているかのようで…。 そっと、壊れないように指輪に触れた。 「…… メッセージカード?」 私は箱の内側、脇に添えられたちいさなカードに気が付いて、それを手に取り裏返した。
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