・ °* イブの夜に *° ・

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『merry Christmas. 美雪、誕生日おめでとう。 俺と結婚してくれる?』 「………っ…」 ポタリと大粒の涙が落ちた。 リングの内側には私達の誕生日、24の数字。そして彼と私のイニシャル……。 「……迷惑じゃなければ… 受け取ってあげてね…」 制御不能になった涙をぽたぽたと流しながら私は無言で大きくコクりと頷いた。 迷惑なんかじゃない。 逆だ。迷惑をかけるのは…… 「……冬夜くんのお母さん…実は… ……私からも、お話があります…」 今日ここへ来たのは呼び出しをされたから。でも…それだけじゃなかった。 許しを… お願いを、するため…… 私は受け取った箱をぎゅっと両手で握りしめ、深呼吸を一つ。 意を決して顔をあげ、真っ直ぐ冬夜のお母さんの顔を見て言った。 「……今、 私のお腹の中には彼の赤ちゃんがいます。 ……お願いします。…産ませて下さい」 妊娠2ヶ月。 冬夜はまだ…この事実を知らない。
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