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………1年後。
クリスマスイブ。
私は去年と同じように彼を待っていた。
約束の場所は駅。
時間は夜7時。
突如陽気で賑やかなメロディー
クリスマスソングが
あたりに鳴り響いた。
音を辿るとその先には
駅の前の柱時計。
針は約束の時を刻んでいた。
「…………あ、雪……」
はらり……
舞い降りたのは
ひとひらの…
「 雪結晶」
次第に雪はその数を増やしていく。
まるで私達を優しく
包み込むように…
『イブの夜に…会いに行くから』
静かに降り続ける雪の結晶から
彼の声がした。
「…だァ……!」
「あ、分かる? 秋夜。
……おとーさんだよー」
やっと、首が座りだした息子が、手袋をはめた手で空を掴む。
私はその小さな身体をぎゅっと抱いて、息子の手の先、夜空を仰ぎ見た。
冬夜が私にくれた最高のプレゼント。
私の宝物。かけがえのない
……愛の結晶。
Fin
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