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ドイツで乗り換えて、ミハイさんや華原さんの故郷、吸血鬼たちの一族のいる地へ。
もちろん、ルーマニアだ。
「空港まで迎えが来てるから、しばらくは車に揺られましょう。」
「はい。」
華原さんのてきぱきした指示を聞いて、まりちゃんの手を繋ぎ、荷物を運ぶ。
ミハイさんは、乗り換えてなお俺のところに来ようとして玉砕し、しょげている。
こんなことでしょげるって、どうなんだ?
これからずっと一緒だっていうのに。
「あれは放っといていいいから。ほら、あれよー。おじさまが用意してくださったのね。車に付いているエンブレムで分かるわ。」
「おじさま?」
おじさまって誰だろう。
華原さんの親戚に当たる吸血鬼だろうか。
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