こんな俺でもいいんだろうか

2/19
7052人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
沈んだ意識が、ゆっくりと戻る。 体の感覚が、おかしい。 これが、吸血鬼の体なんだろうか。 『泉実。』 名前を呼ばれたような気がした。 俺の大好きな声がする。 起きないと。 「・・・・・・オズ・・・ワルド?」 ゆっくり目を開けると、ミハイさんがのぞき込んでいる。 よかった、俺、ちゃんと吸血鬼になれたんだ。 ほっとしたのも束の間。 ミハイさんの表情が、曇る。 え? 「目が・・・!」 目?ちゃんと見えているが? そんなミハイさんを押し退けて、華原さんが俺の傍らに来た。 どういうことだ?どうして華原さんが? もしかして・・・何か失敗したのか? 俺、ちゃんと吸血鬼になれてない?
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!