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沈んだ意識が、ゆっくりと戻る。
体の感覚が、おかしい。
これが、吸血鬼の体なんだろうか。
『泉実。』
名前を呼ばれたような気がした。
俺の大好きな声がする。
起きないと。
「・・・・・・オズ・・・ワルド?」
ゆっくり目を開けると、ミハイさんがのぞき込んでいる。
よかった、俺、ちゃんと吸血鬼になれたんだ。
ほっとしたのも束の間。
ミハイさんの表情が、曇る。
え?
「目が・・・!」
目?ちゃんと見えているが?
そんなミハイさんを押し退けて、華原さんが俺の傍らに来た。
どういうことだ?どうして華原さんが?
もしかして・・・何か失敗したのか?
俺、ちゃんと吸血鬼になれてない?
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