穏やかな時間

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会社を出て辺りを見渡すと、すぐに見覚えのある車が目に留まる。 歩み寄る私に気づいたユキが窓を少し開けて顔を覗かせてきた。 「ごめん、待ったよね」 車に乗り込み謝ると 「いや、時間通りだし。それより薄着じゃないか?身体冷やすぞ」 すかさず後部座席に置いてあったブランケットを取って、私の膝に掛けてくれた。 「ありがとう」 ユキの優しさに頬を緩ませながら、私はシートに深く背中を預けた。 「じゃあ、行くか」 ライトを点け、ウィンカーを出すとユキはゆっくりと車を走らせた。 .
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