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「あっ、チエ…」
「ん?」
ナツは車道側を歩いていたチエの腕を引っ張って自分の方に寄せた。
チエが退くと、ワゴン車が勢いよく通って行った。
「ありがと、ナツ」
チエはニッコリ笑いナツに感謝をした。
二人が談笑しながら歩いていると、楽市楽座に着いた。
「プリクラ取ろっ」
ゲームセンターに入るとチエはナツの腕を取り、プリクラ機の中にナツを連れ込んだ。
それから二人はゲームセンターで色々なゲームをして近くの雑貨店に入った。
雑貨店に入る前にナツの両手には景品のヌイグルミがあった。
「ナツ、大丈夫?」
チエが心配そうに聞くと
「こんぐらい平気やし笑”」
ナツは持っていたヌイグルミを持ち上げそう言った。
「笑”
じゃあ、今年は何を買って貰おっかな?」
「高くない奴で笑”」
二人は笑い合うと取りあえず歩き出した。
「あっ、コレ可愛いぃ」
チエは展示されていた指輪を一つ取ってみた。
「?
それ、よかね」
ナツはチエの持った指輪を覗きみた。
「コレ…ペアリングだ。
ホラ、こっちにも」
そう言って、近くにあった同じ形だが少し大きい指輪をとった。
「コレにしよっか」
ナツは指輪を見ていたチエにそう言うと
チエは満面の笑みを浮かべ
「うん」
と言った。
二人は店の外に出た。
「笑”」
チエはナツと御揃いの指輪を右手の薬指にハメた。
そして、手をパーにしてナツに見せてみた。
「似合っとるやん笑”」
ナツはチエの指輪を見て自分も右手の薬指にハメてみた。
「なんか」
「?」
「ウチら付き合ってるみたいだね」
チエがそう言うと、ナツは
「んじゃ、付き合うか?」
と、ニヤけながら言った。
もちろんそれは冗談で、これまで二人はこんな冗談をよく言っていた。
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