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「ついに、ついに完成する
長った……ただこれによって全世界の人々の暮らしを支え、幸福をもたらしてくれるだろう……」
男は何重にも描かれた魔法陣の中で涙を流しながら喜んだ。
その手には丸く黒い球体がある。
その球体は、光を反射しながら色を変える。
初めは黒に見えた球体は、気づけば赤色になる。
そんな神秘的な球体を男はそっと握った。
次の瞬間、魔法陣は青白い光を放ち部屋を光が満たす。
「ついに完成した……
だが本当に成功したかは試さなくては。」
男は通信機を使い誰かに連絡を入れる。
「久しぶりだな。
俺だ……ついに完成した。
もしものことがあったら頼むぞ」
『父さんわかってるよ。
ただ、あいつを早く家から遠くへ連れて行ってやりな。
そうしないと危ないだろ…』
「たしかにその……」
次の瞬間大きな爆発音とともに通信は途絶えた。
通信機の向こう側では
「なにがあったんだ!?
とりあえず俺が行かないと……」
その者は足を早めた
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