一章

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さて、優しく美しい彼女ならば周囲からの評価は高いのかと思いきや、真逆である。上に立つ者から厚い信頼を置かれ重宝されている真紀を、他の者は妬み、嫌い、嫌がらせをしていた。 毎日のように嫌がらせを受けている彼女にも、たった一人の友がいる。 名を風水楓(かざみかえで)というその女性は、いつ仲良くなったのか思い出せないほど、幼い頃からの親友だ。普段おとなしい真紀とは対照的に快活であるが、一緒にいられる時はいつもそばにいるような仲の良さを見せていた。楓と会うことで、辛いことがあっても笑顔でいられる日々を過ごせていた。彼女の存在はいつも真紀を支えている。 二人が会う時によく話すのは、新選組のことである。新選組とは、動乱の激しい幕末に幕府側の勢力として京都で名を轟かせていた集団のことだ。世間では未だに[人斬り集団]と悪い評判もあるが、彼女の考えはそうではない。
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