第4章 押しかけ女房

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いつもおれが付きあう女と言えば水商売の女か、 あとくされのない女ばかりだから、忠が不思議に思うのも無理はない。 ほんの数メートル駆けてきただけなのにかなり息が切れている政恵。 「なぜここに?」 俺が聞くと、 「神谷先生にお聞きして、授業が終わる時間はわからなかったのでしばらくまってました。」 「いやそうじゃなくて、何しに来たの?」 「顔色悪いけど、何時から待てたの?それに正面から出てくるとは限らないだろ?」 「3時から待てました。何日でも待つつもりでした。」 「今6時だけど・・・3時間も待ってたんか。」 義が時計を見て言った。 政恵は俺の真ん前に立ち真っ直ぐ俺を見て。 「神谷仁さん、ひとめぼれしました。お付き合いしてください。」 「・・・え~。」 隣から二人の驚きの声がした。
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