第2章 つきものが落ちた人たち

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夜の繁華街の交番に人のよさそうな警官が入ってきた。 「藤井さんご苦労様です。大丈夫でしたか?」 書類を書いていた警官が話しかけた。 「ああ、酔っ払いのいざこざでけが人も居ないし同僚の連中がそのままつれて帰ったよ。」 「大事に至らなくてよかったですよ~ところで藤井さん!例の3人組、いますよ・・・」 「なに?またか・・・」 急いで奥に向かうとサラリーマンの男性が長いすに座って呆然としていた・・・ その向かいに長い髪の男と長身の眼鏡の男、それにピアスの男 「神矢!またお前らか・・・」 「あれ~藤井ちゃん元気?少年課から移動になって初めてだねぇ~」 (ピアスの男)神矢 仁、カミヤ ジン (長い髪の男)角守 忠、ツノカミ タダシ (長身の眼鏡の男)白神 義、シラカミ ヨシ 3人は藤井に親しそうに話しかけた。 「まだこんな事、しているのか?」 「やだな ~ 藤井ちゃん、なにもしてないって~」 そばに居た警官が 「藤井さん、殴っているところを目撃した人が居るのですが、この方が何も覚えてなくて,怪我も無いですし、どうしたものかと・・・」 藤井はサラリーマンの男性のほうを見た。 酒のにおいはするがそれほど酔っている風にも見えない、ぼうっとしているが異常は無いようだ。 「全然覚えてなくて、むしろつい先っきまで仕事で、家庭で落ち込んでいたのが嘘みたいにすっきりしているんですよ、不思議ですよね~」 ぱぁっとサラリーマンの男性は明るく笑った・・・ 「見間違えじゃないの?なにもしてないよ おれら・・・」 仁が悪ぶれている・・・ 3人は帰れることになった。まだ、未成年のため、迎えに来てもらうことになった。 「すみませんここに弟が居ると聞いてきたのですが・・・」 「兄貴・・・」 「仁!まったくふらふらと何しているんだ、母さんを困らせるな。」 仁の10歳上の兄は大学病院の外科医だ 他の二人も親が迎えに来た・・・ 「神矢!良い大学に入ったんだからふらふらせず勉強しろよ」 藤井が心配そうに言った。 「藤井ちゃん!これでもけっこう優秀なんだぜ~」 「親を心配させるな!って こどだよ」 3人は笑って交番を後にした・・・
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