第2章 つきものが落ちた人たち

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「不思議ですよね、あいつらが殴ったと思われる人たちがみんな幸せそうな顔しているのが・・・なんなんでしょうね」 「そうだな、皆つき物が落ちたような顔していたな。」 藤井は仁達が高校生の時から仁達を知っていた、 繁華街をうろつき同じようにサラリーマンを襲っていた、しかし今と同じようにサラリーマンは覚えていない上に、殴られているはずなのに痛い所が全く無く、怪我をしていなかった・・ 「最近彼ら見かける の多いんですよ」 「多い?」 「前は1ヶ月に2、3回だったのが、最近週に2、3回は見かけます。 「それは多いな・・・」 藤井は、あごに手を置き難しい顔をした。 父と兄が医者で、何不自由無く育ったはずの仁、 良いとこのお坊ちゃんの筈なのに風体はどう見ても不良だ。 風体とは裏腹にとても優秀でその風体で進学高校に通っていた。 昨年春に有名私立大学に合格、首席だったらしい。現在大学2年、 他の二人も銀行の頭取の息子、忠に 大学教授の息子の義、二人とも仁と同じ大学の経済学部に通っている。 (なぜやつらは人を襲うんだ?金を取るわけもなく、ただ楽しんでいるわけもなくなぜだ?) そういえば、神矢について不思議なことがあったな。 あれは引たくりを追いかけていたとき。
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