第2章 つきものが落ちた人たち

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「まて~」 たまたま非番で町を歩いていたら、目の前で引たくりに遭遇した。 妻と子どももいっしょに居たのだが二人をおいて私は追いかけた。 「藤井ちゃん?」 神矢だ!引たくりが神矢の横をすり抜けていった。 「つっ、捕まえろ、引たくりだ!」 普通なら一般の人には言わないが私は思わず叫んだ。 「へいっ!」 仁は物凄いスピードで追いかけていった。 あっという間に追いついた、暴れる引たくりの拳を難なくよけながら、 神矢は引たくりの腕をつかんでみぞおちに一発。 引たくりが おえっ と何かを吐いた、そしてやつがその場所を突いたように見えた 追いついた私が見たのは 地面に押し付けられ、観念している男!そしてその脇に吐いたもの?。 「悪かったな、危ない目にあわせて」 「藤井ちゃん俺だから言ったんだろ?信頼してくれてうれしいな」 神矢はかなりの武術の達人だ、頭良し、家柄良し、そして強い。 こんな人間が本当にいるのかと思う。 「ありがと な・・・」 「どういたしまして」 手をふって仁は去ろうとした、あっそういえば 「神矢、さっきお前の手、光ってなかったか?」 はっとした目でこちらに振り返った神矢は 「へぇ~藤井ちゃん、・・・気のせいでしょ・・・」 はぐらかすように神矢は言って去っていった。 あれはなんだったんだ?引たくりを殴った手、吐いたものを突いた手、どちらも青白く光ってたように見えた。 その後その引たくり犯は前科はなく、執行猶予がついて釈放された。 やはりその引たくり犯もつき物が落ちた様に反省し、 今は老人ホームで真面目に働いている。 生き生きとした表情で・・・ (あいつらには何か得体の知れない力があるのか? まさか漫画じゃあるまいし・・)
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