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戻ってきた一を迎え入れてくれたこの手狭な部署は激戦区とは打って変わって人も業務も穏やかな場所で、口の悪い人に言わせれば昼行燈の集まりのようなところだった。
その元“戦友”からは島流しだのサナトリウム送りだのと適当な揶揄を飛ばされたが、なるほどここに漂う空気感は療養の地のそれと言えなくもない。
ただし仕事ができない人がたまっているのかといえばそうではなく、単にやることが地味で内向きなためにまったりと落ち着かざるを得ない環境なのである。
施設課の主な業務は社内の環境整備であり、具体的には清掃業者とのやりとりや蛍光灯の交換、ペンキの塗り直し、植込みの整美、空調の管理など。
一が来るまでは定年退職後に嘱託社員として返り咲いたベテランの二人と、派遣の女性だけだったので、なるほど若い男手が欲しかったということだけは納得ができた。
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