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なんであんたが死ななかったんだ。って、私の前でボロボロ泣いていた。
ガンッて。何かで殴られたような鈍い衝撃を受けたのを覚えてる。
まだ小さかった私には、その言葉が大きすぎた。
だって、ママなんだよ。
どんなに悲しいことを言われても。
家に帰って来てくれなくても。
思い出がなくても。
どんな形でも、私のたった一人のママなんだもん。
だから。
あの時から胸は張り裂けそうなくらい、ずっと痛いままで。
笑って誤魔化す術を身につけた。
でも。私ママのこと大好きなんだなあって思ったら。
余計に悲しかった。
だってママは、私のことが嫌いだから。
毎月お金だってテーブルの上に置いてあるし。同じ家に帰って来ているはずなのに。
話すこともなければ、会うこともない。
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