空から落ちた天使の羽

2/10
前へ
/131ページ
次へ
私、朝が嫌いだ。 だって、とにかく寒い。 特にこの季節。冬の時期はいつにも増して寒い。 ふかふかのお布団からは、昨日干したお日様のにおいがして余計に出られなくなる。 キレイな夢の中にいても、現実を見なくちゃいけなくなるから。 シャボン玉がはじけるみたい。パチンって消えてしまう。 学校には行かないとだめだから、頑張って起き上がるけど。 おはよう。ってその言葉が返ってくる事もなくて。 心にぽっかり穴が開いたみたいだ。 あたり前みたいに朝ご飯がテーブルに並んでいる事もなければ、明かりすら点いていない。 そんなマンションの中は、暗くて冷たい。 高校1年生の、冬。 これが私の現実。 これが私の日常なんだから。 期待しちゃって、バカみたいだ。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加