第1章

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白銀(しろがね)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「わたし達って、いつどこで出会ったか覚えてる?」 それは電話が始まって10分程が過ぎた頃 思わず零れた言葉 突拍子もない問い掛けに彼女は気を悪くするかも知れない そんな事さえ覚えていないわたしを詰るかも知れない 思わず不安に慄く胸 けれど… 『覚えてないわ』 クスと笑って彼女はそう言った 『貴女と出会ったのはいつなのかしら… 覚えてないけど、出逢ったのはきっと夜ね 』 「…どうして夜?」 『何となく…そんな感じがするのよ』 何が可笑しいのかコロコロ、白銀(しろがね)の鈴を転がした様な声で笑う 嗚呼…何故そんな嬉しそうな声で… 期待してしまう… 愛してはいけない貴女を愛しても良いのかと
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