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こんな幻覚を見てしまうなんて、よっぽどショックだったのね、少しばかり身を任せてみよう。
しかもまた、泣いてたら話かけられるって、なんだか笑えてきた。
そうこれは、私が都合よく見てる妄想だ。
「なにをどうするって?」
鏡にしゃべりかけた。
「『鏡よ、鏡 私の想い人はだあれ?』と我に唱え、願いを念じるのだ。」
「なんか、お伽話みたいね。」
まあ、妄想だから、願いを頼むのもありかと考えた。
「鏡よ、鏡 私の想い人はだあれ?」
鏡はパァーッと輝き、鏡に今一番憎い、華菜子が映った。
心の内が怒りで、フツフツと煮えたぎる。
ウラギリモノ、 ウラギリモノ、 ウ ラ ギ リ モ ノ 。
これが妄想なら、これぐらい願ってもバチは当たらないだろう。
『かっ華菜子が、誰からも相手にされない人になりますように。親友だと思ってたんだ、
大切な想いを踏みにじった、アイツに孤独を…コドクを与えて下さい。』
必死に念じた。
「一生一人で、悩み続ければいい。どんなに孤独に悩むのが苦しいか味あえばいい。」
「承知した。行く末を見届けさせてもらうぞ。」
ハッと我に返った。
妄想だとしても、やり過ぎた感が心に残ってた。
不思議な妄想をした、ちょっと泣いたし、妄想だとしても話を聞いてもらって、少しすっきりした。
そして、店の中は異様などよめきが漂っていたが、店を出て行った。
次の日、誰の仕業かわからないが、大学の掲示板中に、華菜子のヌードや水着、
下着姿のアイコラが、めちゃくちゃたくさん貼られていた。
「ナ ニ コ レ …。」
私は心が荒んで壊れていたのか、不気味に笑っていた。
後は、華菜子の様子が見られたら最高だ。
すると、華菜子は走って、私の側にある、掲示板の所にきた。
「沙緒美!」
華菜子は、目を涙いっぱいで曇らせて、私の方を見る。
「たすけて…沙緒美たすけて、タ ス ケ テ …。」
私は、華菜子を真顔で見据えた、そして思い切り口角を上げて、ニヤッと笑った。
空気のように、華菜子の横を通りすぎた。
これで良かったんだ、辛い目にあえばいい、苦しい想いをすればいい。
小さい傷も積もれば膿んでしまうんだ、この前は、引き金になっただけで、
我慢していたんだよ、ネチネチしたイヤガラセも、イタズラも…。
「ヒクヒク、やっぱり大事なモノ失ってしまった…。」
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