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華菜子がありえない事を口にしていたが、ここまできたら、もう気にしなかった。
数日後、華菜子は大学中のウワサの的だった。
元AV嬢、援交、ビッチ、すごく素行が悪い事になっていた。
友人にも、
「信じて!私そんな事してない、悩み聞いただけで…。」
「私の彼氏を寝取るなんてヒドイ。」
信用を取り戻そうとして、行動していた事がすべて裏目に出て、修羅場に毎回、
巻き込まれているのだった。
いい気味だ、皆ありもしないウワサに翻弄され、やっぱり人なんてあっけないモノなんだと反面、
幻滅もした。
フフフ、まぁ私は、今から出会う人とは、重々気をつければいい。
そういえば、なぜ華菜子はこうなったのだろう、私は憎かったが、何もしてない、
妄想で鏡に願っただけ…。
まさかあの鏡…
家に帰り、あの日の服やバックを探った。
バックの中から、あの鏡が出てきた。
「現実だったの…」
華菜子を追いつめたのは…私…?ポロポロ涙が滴ったが、すぐに止まった。
そう私はもうとうに、おかしくなっていた。
ウラギリモノにバツを与えた烙印を押されていたのだから…おかしくてたまらなかった、
華菜子が縋るような目、思い出しただけで、嬉しくて、ウレシクテ…。
「フハハハハ、アハハハ アハハハ。」
自分でも瞳孔が開いていくのがわかった。
もうどうにでもなってしまえ…華菜子、お前は独りだ。
次の日、華菜子は、いろんな人に声を掛けるが、誰にも相手にされなくなっていた。
大学のカフェテリアの隅っこで、ベンチに座って泣いていた。
私は木の影から、口角が上がり、不気味な表情で、華菜子を凝視していた。
「へへ、陥れた、陥れたのはわたし。」
ワタシがやったんだ、ワタシ ガ ヤッテシマッタ …どうして恩人にこんな事をしてしまったんだろう、
もっとちゃんと華菜子の事を考えるべきじゃなかったのか?もう何も考えられない。
ワタシハモウコワレテシマッタノダカラ…。
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