world1 真実 ~back~

4/7
前へ
/250ページ
次へ
ちょっと休むだけだからいいかと、ベットに向かい、寝転んだ。 すごく重苦しい空気が、流れた。 なんなのこの感覚、 目をつぶっても意識がはっきりしている。 枕元に硬いものがあたる感覚がある、 何?そう思いながら枕元にそっと手を伸ばした。 ゆっくり手を目の前に出すと、すごく綺麗な手持ち鏡が現れた。 「きれい…。」 その鏡に目を奪われた。 ずっと見つめていると、 「汝、我を求めし者。唱えよ。」 私はびっくりして、目を見開いた。 「鏡がしゃべったの?」 「そうだ。汝が我を求めたから、現れたのだ。」 「どういう事?私が求めたってどういう事?」 「汝には、想い人がいる。一番感情を増幅させてる人かいるはずだ。 我は、その想いが強い者の所に現れる。」 「オヤジ…の事だわ。でも現れたから何なの?」 「汝の想い人に対する、願いを叶えようぞ。」 「オヤジを消してくるの?」 「汝が想ってる願いならば消えるだろう。汝が求める事が起りうる。」 「…今あなたを使わなければどうなるの?」 「我の記憶が抹消され、我も消え、変わらない日々を送るであろう。」 「…。」 何も変わらない日々…そんなの耐えられない…私は、決心した。 「私、あなたを使うわ。どうすればいいの?」 「『鏡よ鏡 私の想い人はだあれ…』と唱え、 後に我に想い人が映るだろう、そしたら念じるのだ、 どうなってほしいか。我はその最後を見届ける。」 「わかったわ。」 これで幸せに…幸せになってみせる、そう思った。 鏡に向かい、私は唱えた。 「鏡よ鏡 私の想い人はだあれ…。」 鏡は突然光り、誰かが映った。 オヤジだ…オヤジの歪んだ顔が映っている。 私は、必死に念じた、妙な視線も感じたが、そんな事より、 『オヤジ消えろ、オヤジ消えろ、ブッ殺されて死んでしまえ…』と。 気がつくと放課後になっていた、夕暮れの綺麗な日差しが顔を照らす。 「まぶしっ。」 眠ってしまっていたのかと思い、すごく不思議な夢を見たと思った。 「本当に願いが叶うなら現実だったら良かったのにな…」 そうボソっと言っていると、しっかり手に握られてたのは、あの鏡だった。 「夢じゃない。」 カーテンの音がシャッと聞こえた、あわてて鏡を隠すと先生が、 「一日中、魘されてたわよ。 大丈夫? まぁ先生も事情知ってるから家には連絡しなかったけど…もう帰りなさい。 悠宇紀君も待ってるわよ。」
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加