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「悠宇紀…?どっかで聞き覚え…」その瞬間である。
悠宇紀が私を押し退け、刃物のような物を出し、オヤジをメッタ刺しにしたのである。
「ッ!!キャーーッ。」
喉がはち切れそうなくらい叫んでいた。
血があらゆる所に吹き飛び、私の顔にもオヤジの血が塗られていく。
たぶんオヤジは最初のヒトツキで死んでいただろう。
悠宇紀は、何かに取り憑かれたように、グチャッ、グシャッ、グチャッグチャッと何度もオヤジを刺した。
「アハハハハハ。」
悠宇紀は、狂ったように笑う。
『悠宇紀…どうしちゃったの?一体何があったの?まさか鏡の力なの?』
「アハハハ、ほら亜梨加やってやったぞ。もっと喜べよ。アハハハハハ。」
私は喜ぶ自分がいた事に、自分の事も恐ろしく思い、最後の理性で、
「ひとごろしーーっ」
そう叫ぶと、瞳孔が開きながら私の方を見て、
「何っ、ナニ言ってんだよ、お前のお前の為だろ…。」
悠宇紀はとてもじゃないが、正常とは言えない。
クルッテル、クルッテル、クルッテル…。
そんなタイミングに母さんが来た。
「何よ!!!これーっ。」
「母さん来ちゃダメーっ。」
もう何もかもめちゃくちゃだ、涙と血で、もう何がなんだかわからなく、ぐちゃぐちゃで、よく目が見えない。
その瞬間、目を疑った、よく見えてないからだって、だってそんな訳ない。
「へへっ。お前を待ってたんだよ、おれはよぉー。」
そう言って母さんの事をメッタ刺しにした、グチャッ、グチャッ、グシャッ、グシャッ、内臓と刃物が混ざり合う音が鳴る。
『イヤーーーーッ』
あまりの事に私の声は出なかった。
ドウシテ、ドウシテ、ド ウ シ テ … 。
母さんまで…私も瞳孔が開き、座り込み、手を見て、震えていた。
悠宇紀は、こっちに近づいて来た、
『イヤッ イヤッ 。 こないでっ !!!』
出そうとしても声が出ない。
あまりのショックな出来事に声が出なくなってしまった。
「へッ アハハハ。声もでなくなったのかよ。これがお前と俺の願いなのによー。」
『えっ?お前と俺!?どういう事なの?』
と訴えようにも声は出ない。
「お前の言いたい事わかるぜ、‘ 一応 ’ 2年も付き合ってたからな…。」
『どういう事!?』
泣きすぎて、意識が朦朧としてくる。
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