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そのフィギュアの声で俺のタブレットが震えた。他の男子も皆同じだろう。そして画面に映っているのはある金額2999万7000円だ。
「…これは?」
『さあ、みなさん、今のタブレットを見てください。それが今のあなた達の価値になりますよ?なお、先ほどの借金の額は査定額から引かせて頂きました。』
「…ちょっと待てよ!勝手に何で人の価値を決めているんだよ!?それにこんなもんつけてどーするんだよ!」
尚が画面に指を突きつけた。
『…大丈夫です。これから…あなたたちには通常の生活を送っていただきます。査定が出来るようにちょっとしたイベントが起きますけどね。その様子を数多の会員がモニタリングしています。それで…あなたたちの金額を変動させます。モニタリングしている会員その世代の平均年収や自分への価値、他人など比較をして…
平均が256万円となりました。
ここからは少しサービスし…125万円。この金額よりも低い査定額の場合、男性としての価値が無いと判断されます。』
「ちょっと待てよ!俺達はまだ働いてもいないんだ!これからどんな才能が開花するかも分からないのに!何で価値が無いとか言うんだよ!」
俺はいても立っても居られなくて立ち上がって画面を指さした。
『…確かにすべてが全て価値が無い…とは言っていませんからね。もし金額が125万円をインターバルの時点で割ってしまった場合には、われわれが用意した監獄行きが決定です!』
「はああ!?」
クラスのブーイングも無視して話は進んでいく。
『そしてこのゲームを行うに当たっていくつかルールがあるので注意してください。』
画面に子供が書いた落書きのようなイラストで説明が始まる。
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