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「では…体育祭!お疲れ様でした!!」 「いえーーーい!!」 この店一番大きなカラオケルームでパンパンである。部屋の中に居るのは同じ校章を身につけている。全部で25名の生徒はみなここから近く私立寿音(ジュノン)高校に通っているのだ。 大声で叫んで、纏めているクラス長は背が高い。顔ににきびはあるけど元気な声に真面目な性格にちょっとだけ抜け目もあるクラス長はみんなに信頼をおかれている。あだ名はネロ。本名は根岸 治朗(ネギシ ジロウ)。 「ねぇねぇ。玲王。リレーかっこよかったね!!」 「ああ、ありがとう。」 「ねぇねぇ、播磨君。これ歌ってよ!絶対に似合うから!」 カラオケの打ち上げが始まるや否や多くの女子生徒から声をかけられているのは播磨 玲王(ハリマ レオ)。大きな目に比較的にはっきりとして整った眉。流れる自然な清潔感に溢れるわけ目は右の目の上に出来ている。そして声をかけてくる女子生徒たちにちょっと照れて戸惑いながら笑う姿が甘く、ちょっとした隙で、女性達をよりひきつける。 背もほどほど高く運動神経は優れている。得意なスポーツというものは特別無く、得意教科も特別無い、いわいる万能タイプで全体を通してトップから上位を常に獲得できる。当然、この体育祭でも活躍が出ている。 「玲王君のリレーは凄かったよ!本当に。」 「いやでもあれは…その前に俊介(シュンスケ)が走ってくれたから…なぁ俊介。」 玲王は斜め前のソファーに座っている身体の太い人間がいる。特に足がパンパンだ。鋭く吊り上がった目は少し圧迫的だが印象的だ。ちょっと肌寒いこの季節にも堂々と半ズボンでいる。 「…まあ。前に走ってたのが同じ陸上部員だったのが残念だったな…、そうじゃなきゃ抜けたのに。」 そう言って一口飲み物を手にした。
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