ゲーム開始

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「Ah~、君への想う日々は~、夜空の星のよう~~、遠くでも~輝いている~~♪」 話をしている中に美声が響いてくる。それは歌がまいと評判の“健太(ケンタ)”だ。 「ねぇ~、本当に健太って声だけはイケメンよね~。」 「本当、もったいないわよね。」 女子たちは盛り上がりながら聞えないようにひそひそと話している。 そんなときにスマホゲームを夢中でしている“森田(モリタ)”が手を止めた。顔を少しだけ上げてゆっくりとしている丸いメガネの上から周辺を見渡すようにしている。なかなか健太の歌と盛り上がりで皆は森田を気にしている様子は無い。そんな森田と俺は一瞬目が合った 「何?森田。」 「…ねぇ…誰かメールした?」 「何だって!?」 俺は小さな森田の声にもう一度聞き返す。 すると森田はスマホこちらに向けた。 「?」 俺は自分のスマホを見ると来ている。 「…何だよこれ…。」 『件名:査定額。』 俺は画面をタップして中身を見る。 『あなたのイケメン査定額が出ました。 あなたの金額は… 3000万円です。』 俺は数秒止まっていた。すると後ろから声が。俺の肩にどっかりと太い腕が乗ってくる。 「おい玲王!今度はお前の番だぜ!」 爽やかな笑顔、まさに野球男児の塊の“尚(ヒサシ)"がマイクを持って俺に向けてきた。 「ああ、ありがとう!」 俺はマイクを受け取る。さっきスマホに来ていたものの結論は怪しいメール。かかわらないほうが身のためと判断した。 「玲王、何歌うの!?」 みんなの声が聞えるなか前奏が流れる。 「ああ~!これは新曲の!」 「ナンだっけ!?あれだよ!!」 そのままカラオケは盛り上がっていくのだった。
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