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カラオケの翌々日。俺の駐輪場に自転車を停めて学校へ。
「おはよう。玲王!」
「ああ、“卓郎(タクロウ)”。」
今日もテニスラケットを抱えた卓郎が華麗に自転車を降りる。ちょっと小柄で茶髪でアクティブな仲良しだ。
「いや~、おとといのカラオケ盛り上がったな~。」
「お前の歌も良かったよ!」
「あはははっ!」
そんな話をして俺達は並んで校舎へ向かっていく。
「そういえば卓郎、今日朝練習は無いのか?」
「ああ、休みだよ。おかげで昨日はゆっくりしていたよ。」
「彼女とか?」
「うるせー!ってか玲王こそ彼女作れよ!」
「いや…なんて言うか…。」
「そ~いうとこは無駄にピュアなんだよな~。」
話しながら下駄箱で履物を変えて教室に向かっていく。
「おはよ~!」
「玲王君!卓郎君!」
ネロが声をかけてくる。
「どうした?ネロ?」
「君達にもカラオケの日にメールが来なかったかい?」
「ああ…そういえば着てたけど…。」
「やっぱりクラスのみんなに来ているんじゃないか?」
ネロが他のみんなに話していく。
「まあ、気にしないほうが良いじゃない。気まぐれなイタズラだよ。」
俺はそう言って荷物を置いてく。
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