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「こういうの配るなんて粋だね!」
「なんか男の子向けね~。」
みんながそれぞれの腕時計型タブレットを身につける。
すると突然、TVが砂嵐になって画面が更にどこかの教室の一部が映った。見慣れた机と背面黒板だろう。そこに何故か可愛らしい人形がやってきた。髪の毛は緑の長い髪でスカートは短いきりきりで目は大きくくりくりの操り人形だ。更にボーカロイドのような電子声がする。
『やあ、皆さん。おはようございます!いやいや皆さん、ちゃんとタブレットをしてくれて嬉しいです。』
「何あれ?」
「結構可愛い。…新しい嫁だな。」
「男の子ってああいうの好きよね。」
「…でも可愛いのは私好きだな。」
出てきた可愛い人形に様々な意見が出る。
『みなさん…昨今、色々な問題がありますね。ネットに依存する人。晩婚化。男女の平等が言われていますね~。
そこで!
皆さんに男性の価値を決めていただきたいんです。先日お送りしたメールに出ていた査定額があなた達の価値の目安です。
もちろん“査定”ですので変動はしますよ?特技や性格の良さは人によって価値観が違います。しかしですね…。男性の価値は今や“顔”に集中しているようです。正確には違いますが先ほどの問題は全て繋がっているんですよ。
顔がいい人は人が寄ってきますよね?自然とコミュニケーション力が身につき、世界が広がり、ますますいい人になっていきます。逆に顔が悪い人は人が離れ、コミュニケーション力が落ち、癒しはつながりを求めネットに走るんですよ。更に女性の社会進出は女性の価値を上げて男性の価値を下げました。女性の皆さんは自分より年収が低い人は嫌でしょう?働く特権がなくなっては男性の価値は大きく下がって、その分のしわ寄せも顔に行くわけです。
こういったことを考慮して査定額を出させていただきました。』
クラスが自然とざわついていく。
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