ゲーム開始

7/12

39人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
「ちょっと待てよ!何で男子だけこんなことするんだよ。女だって顔で選ばれるだろう?」 特に陸上の俊介が声を上げるが画面のキャラクターは全然受け答えをしないです進めていく。 『さぁ、皆さん、簡単に見た目の大切を体感していただきます。腕についたタブレットに注目です。』 「!?」 みんながタブレットを見ると真っ黒の背景に白い文字で『-1000円』と書かれている。 「なんで…-1000円?」 俺はタブレットに触れると一番上の1が緑に点滅し、上下に動かし数字を変えられるようだ。 『それは皆さんの借金です。後に払っていただきます。』 「はああぁっ!?」 みんな声が上がる。 『ではその1000円で惨めに殺されてしまう犬を助けることが出来ます。』 「?」 『今、クラスには25人いますね。一人1000円で25000円となりますね?それで殺処分されるはずの犬を救えますよ。 一匹につき25000円必要ですよ。さあ、いくら払いますか?もちろん払わなくても良いですよ?画面に犬が一匹ずつ映りますので、自分が助けたいと思った分だけ支払いましょう。あなたが救いたい1000円払っても隣人はどう思うのか?そして不足した場合でも徴集しますし、犬は助かりませんよ?良いですか?よく考えて金額を選んでください。制限時間は60秒ですよ。では…スタート!!』 すると画面は移り変わった。画面上にデジタルのストップウォッチ。59秒、58秒と減っていく。灰色のコンクリートの中をうろうろと歩き回っている犬が映った。画面の隅には糞が無造作にされている。茶色で耳は垂れていて、結構大きさがある。 「ウオオォン!ウオォン!!」 犬というか狼のようなたくましい声が響く。出たいことは伝わってくる。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加