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「こ、これは本当か!?」
「まさか…。」
「ねぇ、とにかく様子を見たほうが良いんじゃないの?」
クラスの中がざわついていく。
「とにかく、落ち着いて。あんまりいじらずに様子を見よう!そしたらきっと…何か分かるかもしれない!あと二匹居るんだし!」
俺は声を上げて纏めていく。ネロもすぐに賛同した。
「そうだね、みんな、なるべくこのままで居よう!」
時間が進んでいき60秒はあっという間に過ぎていく。
『タイムアップ…では…金額を確認しましょう。集まった合計金額は…。』
犬の映像の上に並ぶランダムに変化していく数字。その末端には円の文字。その隣から順番に数字が止まっていく。右から0、0と続くがその次は3と変化していく。犬の映像の上には…19300円も文字が。
『19300円になりました!!…残念ですね25000円未満の為にこの犬の殺処分が決定しました。』
「!?」
すると犬の映像のみになる。先ほどの牢の中、檻になっている部分もゆっくりと完全がフェンスが閉まっていく。
そして今度はゆっくりと白い煙が部屋に。
「ウオオオオォン!ウオォン!ヒイイィン!」
犬の鳴き声は太い声から高い音に変わっていく。必死にあちこちの壁に前足をかけていくが、途中からそれをやめ横に倒れる。そして体を震わせては立ち上がりまた倒れる。舌がだらしなく出て閉まらない。倒れることを数回して犬の動きは痙攣のみに。いつしか痙攣すらしなくなっていく。
「うああぁっ!」
「何これ!?酷いわ!」
「ってか何で足りないのよ!誰!?金額減らしのは!?」
クラスの中で次々と声が上がっていくが画面が勝手に進んでいく。
『では…同じ条件から二匹目です。…なお金額は皆さんタブレットを見ていただければ分かりますが…先ほど自分が支払った分は固定されていますので動かせませんよ。今回もー1000円からスタートです。つまり先ほどのー1000円だった人は合計ー2000円となりますので。』
そう言って画面は変わり同じような牢の中、今度は小さな犬が歩いている。ヨチヨチと歩いてその歯で柵に噛み付いては「ワン、ワン」と小さく叩くような声で鳴く。
『では同じ条件でスタートです!』
また映像の上にストップウォッチが。
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