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「「「いただきまーす!」」」
俺たちは声を揃えて手を合わせた。
炒めものと味噌汁と白いゴハン。
日本人はやっぱり、味噌汁とゴハンのセットだな。
「うめー! アツシ。ママの親子丼と同じくらい!」
「おっ!マジか?
パパの腕も大したもんだろ。ママより料理が上手かも」
「。。。アツシ、なに自分の事パパって言ってんの?」
仁が、しらーとした視線を俺に浴びせてきた。
俺はニンマリ満面の笑みで仁に対抗する。
「え、だって、パパになるじゃん。もうすぐ」
「まだ、結婚してないんでしょ?ママと」
仁はツーンと鼻をそむける。
仁のやろー、
そうゆうところはウヤムヤにしないのか。
「そうか、ノゾミが俺をアツシと呼ぶからいけないんだ。
ノゾミも俺の事パパって呼べばさ、仁も慣れてくるだろ?」
ノゾミを俺サイドにつけようと話を振った。
ノゾミは黙々とゴハンを口に運んでいる。
「ノゾミ?」
俺が名前を呼ぶと、ノゾミは ハッとさせて顔を上げた。
「あ、ゴメン、なに?」
「アツシが自分の事パパって言ったんだよ!きもちわるー」
「気持ち悪いってなんだよ、パパに向かって」
「だからまだパパじゃないって!」
「。。。。」
ノゾミはまた黙っている。
俺に同調してほしいのに完全シカトだ。
俺の主張が気にくわないのかと、なんだか
とっても不安になる。
さすがに仁もノゾミの異変に気づく。
「ママ、様子が変だね」
仁が声をひそめて耳打ちするように言った。
「だな」
ノゾミが会話に参加してこないので
なんとなく沈黙になり食事を終えた。
「ノゾミ、なんだか だいぶ 疲れてる?
先シャワー浴びちゃえば?
俺はあとから仁と入るから」
「。。。うん、そうする。ごちそうさま、アツシ」
ノゾミは食器をシンクに持っていくと、そのまま
着替えを持ってバスルームへ入っていった。
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