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ノゾミ、いつもの生理と様子が違う。
体調が悪いと言うより、心ここにあらずな感じで。
「ねー! アツシ!
ボク、アツシの名前書けるよ。
ママの名前も書けるし、お手紙も書けるようになったんだ。
見たい?」
「あ、ああ。 食事の後片付け終わったらな」
「ごちそうさまでした」
食べた皿をシンクに持っていくと 仁が足台を持ってきて、それに乗っかった。
「お皿洗うの手伝う!」
「おっ。さんきゅー。助かる」
「今日ママ元気ないね」
「んー、どうしてかな」
「昨日もおとといもアツシが会いに来ないからだよ。
ママ、アツシの事が好きなのに」
「おとといは遠いところにいたからな」
「その代わりにルイが来たんだよ。
ボクの本当のパパの事よく知ってるの」
「え? ルイが来た? どこに? いつ?」
仁の突然の告白に俺は洗っていた手が止まる。
ルイが来たって?
「おととい。
ルイとママとレストラン行ったの。
ルイといっぱいお話した。
ボク、本当のパパにソックリなんだって」
なんだかイヤな胸騒ぎがして、
手に握った皿を洗えなくなった。
おとといは、ルイが二日酔いをした前の日だ。
ノゾミと仁と一緒だったのか。。。
耳に入ってきた話だと、
ルイは朝帰りしたって。
もしや。
「ルイはここのお家に来たの?」
「分かんない。ボク眠くて車の中で眠っちゃったから。ルイも大人の飲み物のんで眠そうだった」
「。。。。」
ルイはここに泊まったのか?
ルイは昔ノゾミに好意があった。
なんか、気持ち悪いな。
俺は確かな不快感を感じて、一昨日の夜を思い出した。
ノゾミの声が聞きたくて
電話をしたけど出なかった。
仁と添い寝をして、すでに眠ってしまっていたのかも知れない。
ルイも泊めてあげただけかもしれない。
でも、俺がいない時に
他の男を家に上げていたとしたら
気分が悪い。
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