三章

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 キャラバンの旅が始まり早一週間、何事もなく進みココに至っては殆どが睡眠の時間となっていた。  街から出たばかりの頃は喜んで馬車の手綱を握っていたが、景色の変わらぬ平野ばかりが続くと知ると、途端に出不精となった。 「無駄に動いて腹が減っては迷惑をかけるからの」  嘘ではないだけに文句の言いようもない。  まあ、ごねられたり暇潰しにからかわれるよりかは手綱を持っていた方がずっとマシだ、とエクシブはため息混じりに思っている。  ふと、自分の馬車に近付く馬が一頭いるのに気付いたエクシブ。 「どうしたんだ、ジャンク」  近付いてきたのはジャンクだ。最後尾であるエクシブたちの馬車の横に付けると口を開いた。 「黒女より伝令。次の町で停泊、だってさ」  黒女とはキックスのことである。  手合わせで負けたことがそうとうくやしかったようで、未だに名前で呼ぶことはない。  それがわかっているので苦笑いをしつつ返事をする。 「わかった。中継のキックスに、隊は到着と同時に集合と伝えてくれ」  ジャンクはこくりと頷き馬を走らせた。
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