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「なあ、さっさと来いよ。待つのは嫌いなんだ」
先程ダグラスが言った言葉のせいか、それともエクシブの態度が気に入らない為か、やたらと苛立っているジャンク。
だが、エクシブはやはり動かない。
「素人のあんたが、俺に負けるのは恥じゃないんだぜ? 怖がらずに来いよ。ちょっとは手加減もしてやれるかもしれないぜ?」
ジャンクの挑発に、エクシブは肩を竦めてこたえた。
「まあ、こっちも暇ではないからな。そこまで言うのなら、ありがたく行かせてもらうよ」
エクシブは言葉の終わりと同時に剣を構えると、ジャンクは余裕の笑みを浮かべて答えた。
「おう、胸を貸してや──」
しかし、言葉は最後まで続かない。
一瞬でエクシブはジャンクの間合いを越え、一気に自分の領域にしてしまった。
振られた剣先は間一髪で鎖で止められているが、もし止められなければ今頃胴体と頭はさよならしていただろう。
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