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「お嬢、今日はどうしたんです? なんか不足しましたか?」
ココは満足そうな顔をして口を開いた。
「調味料が無くなってしまっての。元々高価な物だから少しで良いのだがよ、補充したいんよ」
「わかりました。それじゃすぐに持ってきますよ」
「ああ、急がんでも良いよ」
ココは男を制止して続ける。
「たまには師匠に顔を出さぬといかんからの。出入り口に二瓶用意しといてくれれば良いよ」
「なるほど、わかりました。じゃああちらに用意して置いておきますんで」
そう言うと軽く頭を下げ奥へと入っていった。
「なかなか、真面目にやってるみたいだな」
エクシブが呟くと、ココはクフフ、と笑っていう。
「まあ、それもウチの器のデカさ故だがの」
先程の男たちの殆んどは、前回の誘拐事件に関わっていたならず者たちだ。
傭兵ギルドに捕えられた者たちはココの正体も怖さも知っている。
最初はココへの恐怖故に嫌々働いていたのだが、ちゃんと一人の仕事人として扱うテランとココに、気付けば皆、真面目に働きだしていた。
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