0人が本棚に入れています
本棚に追加
「見て、シュルク!!これはとても綺麗なお花よ。私、初めて目にしたわ」
そう言って手に持っている花へ目をやる。
とても、シンプルだけど、薄桃色の花びらをした可愛らしい花だ。
「私、このお花をお城の庭いっぱいに咲かせたいわ」
目をキラキラさせてシュルクに言い寄る。
「良いですね。姫様ならきっと大事にそだててくださると思うので、実現するでしょう」
シュルクはカトレーナに微笑む。
他の者が居ればなかなか笑わないシュルクだけど、二人きりの時には多々頬が緩んでしまう。
「みてみてシュルク、かごの中がお花と種でいっぱいよ」
丁寧にかごを大きく広げてシュルクに見せてくれる。
「本当ですね、では、そろそろお城へ戻りましょうか」
不審な者が居ないか、ぐるーっと一周見渡し、きちんと護衛を務める。
「ええ、戻りましょう」
カトレーナは満足そうに笑ってみせた。
まだ日が暮れるには少し早いけれど、お城に着く頃には日が落ちるぐらいの時間になる。
二人は、歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!