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ゆっくり起き上がろうとした時、カトレーナの手には、柔らかい感触のものがあった。
「ぅわあっ」
あわてて手を離して、すぐさまシュルクにすがる。
「しゅ…シュルク…なななななにか、あるわ…」
シュルクの腕にまとわりつく両手が小刻みに震えていた。
「姫様、落ち着いてください。何か危害を加えられたわけではないのですから」
シュルクは冷静を装ってはいるけれど、大切な一国の姫を守る騎士であるからにして、いつでも右の腰に備えてある剣を振るえるように、覚悟をしていた。
一生懸命に、目を凝らして一点を二人で見つめた。
「しゅ…シュルクっ!た、大変っ」
いきなり血相を変えて、カトレーナは足元にある〝何か〟を、両手で抱えた。
それは、ネジの止まった…男の子だった。
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