第3章 キャスケット帽子の男の子

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〝ネジの止まった〟っということは、この子は既に記憶を失っている状態を示していることでもある。 横に倒れた状態なのに、短い癖のある黄土色の髪の毛に似合う、赤茶色のキャスケット帽子をかぶっていた。 「どうしよう…シュルク…」 シュルクにも見えた。 カトレーナの抱える、ネジの付いた人を。 「や、やっぱりこのネジ…巻いてあげた方が良いのかしら」 そうカトレーナが言って、その男の子の背中にあるネジに手を伸ばそうとした瞬間。 「姫様、なりません」 シュルクに止められカトレーナには意味がわからなかった。 「どこの誰かも分からないこの男の子のネジを回したら、きっとこの子は目を覚まします。」 訝しげに尋ねる。 「だめなの…?」 「この子はまだ見た目からして幼い…。目を覚ました時、記憶の無い彼を誰が面倒みるのですか…?」 男の子は、見た目8歳ぐらいにみえる。 来るときには気づかなかった森の中。 薄暗い森の中。 彼は一人でいつから、ここに倒れていたのか…。 全てが謎だった。image=487162625.jpg
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