第2章 東の森へ

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お城を出る際に、何人もの使用人たちに声をかけられる。 「姫様、ご機嫌麗しゅう」 「姫様、ご機嫌よう」 「姫様、ご機嫌麗しゅう、今からどちらへ?」 「姫様、先ほど…」 「姫様…」 姫様… カトレーナが通る度に、会う全ての者が声をかけてくる。 少し、窮屈に感じてしまう。 その後ろを、何も言わずにシュルクはついていく。 赤い長い絨毯の敷いてある階段をおりると、すぐに大広間がある。 壁には大きな絵画が飾られており、天井からは立派なクリスタルでできたような、キラキラ輝くシャンデリアが飾られている。 そのまま、兵士の守る門をくぐり抜けると、すぐに小さな城下町が広がる。 すぐさま、カトレーナの姿を見かけると、国民達は駆け寄ってくる。 「姫様、ご機嫌麗しゅう。いつ見ても可愛らしい容姿で心が安らぎますわ」 カトレーナはというと、 「あら、奥様もお綺麗な召し物をなされていて、羨ましいですわ」 カトレーナは、愛想が良く、冗談じみた会話もできるので、多くの国民から愛されているのだ。 「姫様、これ、今朝採れた桃ですの。ちょうど熟しててとても甘いと思うので、是非召し上がってみてくださいな」 中年くらいの頭巾を被ったおばさんが、それを渡してくる。 「まあ、とても甘い香りが…。ありがとう。あとで是非いただきますわ」 カトレーナは、軽く会釈をすると、それを花の種を入れようと持ってきていた籐かごの中にしまった。 シュルクも、軽く会釈をすると、二人は町の外れに向かい、東の森を目指した。
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