第2章 東の森へ

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暫く歩くと道が手入れされてない様な、獣道になっていく。 「シュルク?」 カトレーナは、自分の護衛をしてくれているシュルクにたずねた。 「はいっ?」 「貴方は、どうして騎士になんてなったのかしら?」 きっと、カトレーナがシュルクの私情を伺うのはこれが初めてのことだ。 そんなものだから、まさか自分のことを聞いてくるとは思っていなかったシュルクは、少し驚いて言葉がすぐにはでてこなかった。 「騎士だなんて、命を張る仕事じゃない?どうして、命をかけてまで王国につかえようとしたの?」 カトレーナは、ただ退屈なだけだったのか、桃の入った手持ちカゴをブラブラさせながら、真っ直ぐを見据えシュルクにたずねる。 シュルクは、めずらしく動揺して、無意識に右手が頭へいき、髪の毛をいじる仕草がみえた。 「はい…えと、私は…その…」 暫く沈黙が続いた。 カトレーナは踵を返して、はっきりしないシュルクにしびれを切らして振り向く。 「シュルク?私の話聞いてらっしゃるの?」 一筋の風が吹いた。 カトレーナの美しい琥珀色の長いふわふわの髪の毛を揺らした。 「私は…幼子の時から、貴女様をお慕いしておりました」
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